住宅

大垣賑わい創造プロジェクト その1 by奥村

プロローグ

2014年6月のある日、私は会社のイベント葉書を会社から半径2kmの範囲に配りました。

ある場所で、道路に何台ものナンバープレートの無い古い車が放置されていました。なんとなくその周囲を見ると一軒の空き家が目に入りました。木が手入れされることなく雑然と生い茂り、玄関の足元は雑草で隠れていました。その家と放置された廃車とが重なり、何とも言えない寂しさを感じました。“空き家”の事が気になり始め、意識しながらポスティングを続けていくと、想像以上に空き家が多い事に気付きました。そこで、翌日から時間を見つけ、歩きながら住宅地図に空き家をマーキングしていきました。1ヶ月間調査し、会社の周りだけで100軒以上の空き家があることが分かりました。

 

このまま空き家が増え続けることを想像すると、私はいてもたってもいられなくなり、日本で空き家を活用している所がないかを調べました。2014年11月に、徳島県神山町で過疎化しているにもかかわらず、空き家に若者が移住してきていることを知りました。すぐに現地に行き、主軸となって活動されている祁答院代表にお会いすることができました。

祁答院代表は「神山塾」という学校を開催し、地域の担い手を育てる人材育成の活動をされていました。塾生が神山町に半年間住み込みで地域のあらゆる仕事を体験し、神山町の住人と触れ合う中で、自分自身がどう生きたいかを見つけるための学校です。「やったらええんちゃう」が合言葉。神山塾にはチャレンジする人を応援する暖かい空気感が流れていました。そして神山町の皆様も同じで、町全体がどんな人も受け入れて応援する風土に、お遍路の文化が根付いている感じを受けました。

 

実際に神山町で移住し起業された若い方たちにもお話を伺い、皆さんが「祁答院さんをはじめ神山町の方々の応援があったからこそ、自分がやりたいことに正直にチャレンジすることができた。」とおっしゃっていました。中には大手企業を退社され東京から移住してこられた方もいらっしゃいました。話す目は活き活きと輝いていて、心から自分のやりたいことに一生懸命向き合っている気持ちが私の心に響いてきました。

 

次回につづく

スタッフコラム一覧へ