家

白い家

住宅の設計者になるきっかけとは何だろうか?学生の頃「いつか自分の家を建ててみたい」そう思って建築の勉強を始める人が多いのではないだろうか。設計の担当をした私もその一人。姉から一本の電話がかかってきた。

「家を建てたいから相談に乗ってほしい」

かくして、自分の家ではないが自分の家族の家を設計することとなった。現地は柿やミカンの木が植わる田舎らしい広々とした土地であったが、調整区域、文化埋蔵地域、景観条例等の制約のかかる手続き上難しい土地。この土地のような、広々とのびのびと暮らせる家を建てたいと感じた。

 

家を建てるという大きな計画を進めるとき、すべてをイメージして注文できる方は少ない。だからこそ自分が好きな材料、使う小さなインテリアを先に決めておくことで完成するイメージをより具体的に、身近に感じてもらうことができる。

 

そのために照明や、タイルといった特に小さな材料をとことんさがした。このプロセスを経ることでお客様のこだわりはその家のプランに強く反映される。

 

家族との関わり方で近年大切にしていることは、家族で過ごすリビングに沢山の機能を盛り込む事。リビングとはただ単にテレビを見る場所では無い。子供が勉強し、料理を楽しみ、を愛で、安らげる場所。

 

その為の装置として、中二階の勉強スペースや薪ストーブ深いひさしを持つデッキスペースを開放的なリビングで包み込むプランとした。

 

日当たりや風通しは言うに及ばず、基本的な建物の性能は当然高性能である事を実現した。

 

後日見学会を開催させていただいた折に、生き生きと遊ぶ子供たちや、嬉しそうに家の説明をする姉を見てとてもうれしかった。一番この家にこだわっていたのは設計者かもしれない。

釘この家で使っている技術

縁側と軒
薪ストーブ
キッチン