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パリはシャルティエ、大垣はミドリバシ by垣本

前回に引き続きパリでの旅行について綴っていきます。

特に、食事での出来事、出会った人について書いていきます。

 

フレンチというと高貴なコース料理のイメージがあるけれど、フランス庶民の美味しい料理だってたくさんあるんです。パリ9区にあるビストロ「シャルティエ」。

1869年に創業された老舗のビストロで、「労働者のために安く美味しいものを」を理念に開業され、今でもそのままのスタイルで営業している。

リーズナブルで美味しいフレンチが楽しめるシャルティエには連日行列ができる。

でも心配無用。案内係の方が順番に人数を聞いてくれて、相席の席へ収まるようにテキパキと案内してくれる。

予約制をとっていないので、早めに行こうと17:00頃に向かったもののもうすでに行列ができている。しかし、さほど時間もかからずに入店することができた。

白人の若い夫婦の隣の席に案内され、メニューを渡された。

フランス語しか書かれていない…。写真もなく全く想像もつかない料理の数々。きっと美味しいものなのだろうけど、どうしようか。

隣の若い夫婦が食べている生の牛肉とピクルス、玉ねぎが和えてある料理。を指さして「これをください。」

すると店員さんが「あー、タルタルね!」

タルタルという料理を初めて知った。

ハンバーグの調理過程のようにも見えなくもないこの絵面。だけど、何か美味しそうに食べているのが面白くて、興味をそそる。旅中のこうしたワクワクは本当に楽しい…。

あとは、エスカルゴのオイル煮と赤ワインを注文した。

ワインを飲みながら待っていると、もう一つ隣の席に年配の白人女性2人が座った。

少し会話を盗み聞きしていると、イギリス訛りの英語というのが分かった。

当時イギリス留学中であった私は、すごいシンパシーを感じて話しかけてみた。

「イギリスのどこから来られたんですか?」

すると一人のマダムが答えた。

「ボーンマスという南部の町からよ。」

「!!!」

ボーンマスはまさに私が当時住んでいる町である。

そしてさらに話を進めていくと、徒歩3分の距離に住んでいることが分かった。

こんなことってあるのか!?

もしマダムがもう少し若かったら、完全に運命を感じていた。

「世界は狭いな~」と思いながらお互いに食事を楽しんだ。

 

このシャルティエの相席スタイルは、隣の人とコミュニケーションが生まれやすい。

「隣の席との距離の近さ」と「店員さんの明るい対応」、「美味しいものを食べるという共通の目的」がそろうことで、一緒にいる人たちが他人とは思えない空間ができていた。

先日ミドリバシで開催しているマルシェに行ってきた。

「マニアックで店主が美味しいと思ったものだけを振舞うBAR」

キッチンカーでのホットサンド店」

「お花屋」

店主自身が楽しんでる様子や古民家での団らん風景のなかに自分もいると、隣の席の人や初めて会う人だけど、楽しくて一緒に時間を過ごしている感覚、「シャルティエで感じた感覚」を思い出した。

「単に食事を済ませるような寂しい時間」じゃなくて、「なんかワクワクする体験を食事をしながら感じられる時間」をデザインしていきたいなと強く思った。

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