住宅

自然風の考え by河村

今年も暑い夏が終わり、ようやく涼しくなってきました。

蚊の多い夏場はあまり窓が開けられず、エアコンに頼った生活の方が多かったのではないでしょうか?ようやく窓が開けられて涼しい風を感じられる季節です。

 

今回のコラムでは住宅の設計をする上で重要な「通風と換気」を何回かに分けてお話しようと思います。通風と換気の違いは何でしょうか?似ているようで意味が違います。

 

通風とは自然風(外気)を積極的に取り入れて冷房エネルギーの消費を抑え、快適性を向上させることを目的としています。一方で換気は自然風又は換気扇を用いて室内に発生する有害物質(二酸化炭素、ホルムアルデヒド等)を除去する目的で計画、設置するものです。

難しい言葉で書くとわかりにくいですね。少し砕いた言い方をすれば

・通風=より快適にするため

・換気=不快じゃない状態にするため

とその目的が違います。

 

家作りをする上で日本の家に暮らす方の多くは「風の通る気持ちよさ」は感覚的に理解できるのではないでしょうか。だれしも、風の通る気持ちの良い家が良いことはわかります。それでは具体的にどのように風の通る気持ちよい家を計画すればよいか?

私達は風の通り具合を一時間当たりの換気回数という指標を用いて計画します。

そうすることで定量的に心地のよさをとらえ、感覚でない技術としての設計を目指しています。

また、計画する地域によって風向、風速などの気象データを参照して窓の位置を決めていきます。近年では自立環境住宅のウェブサイトに日本全国の気象状況が記されていますからそのデータを基に設計を行います。資料は【大垣】のものです。

 

周囲にどの程度住宅が密集しているのか?窓の開き方はどうか?窓の取り付け高さはどうか?等も同時に計画していきます。

 

「風通しが良い」の根拠や技術も設計としてとても大切だと考えています。

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