住宅

スペインバル文化(バルセロナ編) by垣本

最終回となる「スペインバル文化」の最終地はバルセロナです。

 

まず宿泊先のユースホステルに向かおうと地下鉄パセッチ・ダ・グラシア駅へ。

駅に着き地上へ上がるといきなり…「カサバトリョ」

ガウディによる住宅作品が目の前に現れた。

まさかこんな予期せぬタイミングで目にするとは思っていなかったので、尚更衝撃的な瞬間だった。海をイメージして作ったとされるこの作品に使われた「青色」がとても印象的で、緑にも近いような。その色は山と海に囲まれたバルセロナの土地と調和している印象を持った。それと同時に、あれだけ装飾性の高い建物があるとその街に浮いた存在になりそうだけど、こんなにも溶け込むものなんだと感心した。

 

バルセロナ滞在中には、もちろん各所名所やガウディ建築を見て回ったのだが、今回も食をメインに綴っていきます。

 

バルセロナは美食の街!

世界各国料理のレストランがいたるところに。

もちろんスペイン旅行に来た私は地元の料理をと向かったのは、「Cervesería Catalana」

人気店で更に予約制をとっていないので、ものすごい行列。

1時間ほど待ち、やっと入店することができた。

毎度のことスペイン語でのメニューでは料理のイメージが湧かず、隣のテーブルの人が食べていたものを注文した。

一つは、エビの串焼き。二つ目はフォアグラとステーキのピンチョス。あと生ハムやキノコのアヒージョをサングリアと共に食べた。

上手い上手すぎる…。腹ペコのお腹にあっという間に飲み込まれてしまった。

マラガ、マドリードで行ったような老舗ではなく、少し洗練された店構えだったので、少しばかり身構えていたが、隣のお客さんもお店の人もとてもフレンドリーで、わいわいと楽しい時間を過ごすことができた。

学生の金なし旅行だったので、バルセロナ滞在中の残りのディナーはバーガーキングで耐え忍んだが、それだけの価値は本当にあったし、より忘れられないディナーになった。

次行くときには、“毎日行ってみたいな”と今なら思える。

スペイン旅行中に強く印象に残ったことがある。

駅の券売機の言語選択画面を見てほしい(写真)。

フランス語、英語などの外国語と共に、各地方の言語が選択できるのである。

調べてみると、公用語としてのスペイン語はカスティージャ語であり、各自治州で独自の公用語を持っているとのこと。

バスク地方、カタルーニャ地方、アンダルシア地方などとそれぞれの地域に住む人たちは、自分の地域に誇りがあり、「スペインとはマドリードのことを指す」という意識を持っている。

私のバルセロナ出身(カタルーニャ州)の友人をスペイン人として接した際、彼がものすごい腹を立てたことを思い出した。
「僕たちはカタルーニャ人だし、カタラン語を話す。」
私はスペインとして一括りにしてしまっていたが、地方それぞれが自分たちの土地に誇りを持っていることを初めて知った。

考えてみると各地のバルへ行ってみると本当にその土地ごとで料理の種類がユニークだ。

しかし共通しているのは、バルとは形式ばった気張るようなところではなく、他のお客さんとの距離も近くその場で仲良くなり会話しながら、美味しいお酒と食事ができることだった。

その地方独自のバルをこれからも引き継いでほしいし、次スペインに行く際にはまだ行ったことのない地方へ行き、そこでの新たなバルとの出会いを楽しみにしたいと思う。

本当に料理のためだけに行きたい国になった。

 

10日間のスペイン旅行を終え、鉄道でフランスはマルセイユへ

次回は、フランスで過ごした時間を共有します。

 

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