住宅

我が家のその後16 by西垣

我が家は完成して5年と5か月が経ちました。
自宅の設計監理と施工管理を同時にやったという事もあってか、住みだした頃は何もやる気がおこらなかったのですが、1年ぐらいしたら気持ちにも余裕が出てきましたので、日曜大工でちょっとした家具を作る事を始めました。きっかけは、自宅に使用した床材が何枚か余っていたので、捨てるのももったいないと思い、何か作る物はないかと考え始めた事でした。

 

最初に作ったのが簡単そうだと思った「ベンチ」です。
腰かける部分は、床板を2枚つなげ、ふちを少し斜めにカットして塗装すればすぐ完成しました。
次に、足の部分を何でどう作るかが問題になりました。普通に木で作ってはごつくなりそうだし面白くないので、細いものでスッキリ見せたいと思い、住宅の基礎に使用される異形鉄筋棒を曲げて足にする事にしました。
ただ、これは自分で作る事が出来ないので、
・床板を留めるLアングル
・曲げる角度
・曲げる位置
・溶接するカ所
などがわかるように簡単な図面を書き、職人さんと相談しながら製作してもらいました。それを僕が塗装し床板をビスで留めて完成しました。

結局、ほとんど難しい部分は職人さんにやってもらい、僕はそれを塗装して組み立てるだけの作業でしたが、使いたかった遊休床材を使用し、使う材料やデザインを決め、塗装・組み立てをしたので「自分で作った!」というとても満足した気分になりました。

 

仕上がりはというと、
床板の長さが2mあったので、折角なので切らずにそのままの長さで製作し、スタイリッシュで4人が座れる程のロングベンチが完成しました。
肝心な座り心地は、4人で座ると少したわんでしまい、座った人をヒヤヒヤさせてしまう出来上がりです。実用には、ゆったり3人掛けか、子供たちが座るのに丁度いいかなあと思います。
仮に長さに見合った4人掛けベンチを製作するのであれば、見栄えだけでなく、足の強度や仕様を検討する必要がありました。
それと、長さ2mのロングベンチは、長すぎて持ち運びが容易に出来ず、置く場所が限られてしまうのも反省点でした。

 

「そこにある材料を利用して何かを作る」という事は家づくりの中にもあります。
最近では、以前に住んでいた既設建物の「建具」や「照明器具」を再利用するとか、「古材」を買ってきて新築の建物に利用するなどがあります。その場合、その物にとらわれすぎてそれを中心に考えてしまいますので、物にとらわれることなく、サイズ感・全体のバランスなども考えながら検討していく事がとても大切だと思いました。

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