住宅

素晴らしい日常 by奥村

昨今キャンプブ-ムが再燃しています。シ-ズンを通してスポ-ツショップには何張ものテントが展示され、その周囲にはおしゃれなキャンプグッズが陳列されています。snow peakやCAPTAIN STAGの国内メ-カ-をはじめ外国のメーカ-も数多く並んでいます。

かつてキャンプといえばファミリ-でというイメ-ジがありましたが、現在は「キャンプ女子」や「ソロキャンプ」を楽しむ方が増えていると言われます。

少し前にグランピングが流行しましたが、個人のキャンプでも同様にフィールド使いの家具を持ち込み、よりおしゃれでグラマラスなキャンプを楽しむ傾向もあるようです。

かつてはいかに軽量でコンパクトに荷物をまとめるかがキャンプのひとつの肝でしたが、最近ではそうでもないようで、私が青年期の頃は自転車にテントと飯盒を積んで長良川の河原でテントを張り、竹を切り荒縄で結んで家具や立ちかまどをつくって楽しんだスタイルはまさに化石のようなスタイルです。

 

一方キャンプ用品の価格をみても驚きます。決して手ごろな価格と言えないほど、高価なギアが多い気がします。そこにも時代の価値観の変化を感じざるを得ません。豪華なホテルに泊まり、豪華な食事をするよりも、満天の星空の下で焚火を見ながら過ごす価値にお金をかける方が高い価値があるとされているのです。

豊かな物をもてば幸せだという時代はおわり、
『能動的で豊かな体験をいかに日常で味わうことができるか』
が求められているのだと感じます。かつて住宅も高価な建材や設備や機能で各社が競い合う時代がありましたが、キャンプで味わえる体験を、日常でも体験できるような設えを創造することが必要だと思います。

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