住宅

土地の探し方 その3 by河村

広告の読み方

前回に引き続き、よくある中古物件広告の読み方を解説していきましょう。

 

これまでは「構造」/「建築」についてお話ししました。
続いては「都市計画」についてです。

 

このチラシで都市計画は⑨の部分で『市街化区域』と書かれています。
日本の都市計画ではまず、人が建物を沢山立てやすい土地の「市街化区域」と、田畑のために用意されている土地の「市街化調整区域」が区分けされています。

市街化区域とは、読んで字のごとく「街にしようとしている土地・街にしたい土地」と行政が位置付けている土地の事です。こちらは特に問題ありません。

 

市街化調整区域とは、簡単に説明すると「周囲が田んぼばっかりの地域」です。行政が市街化しにくくしている土地です。「街にしたくない土地」なのです。

市街化調整区域である場合の問題は、飲食店や事業所として用途を変更する事が非常にできにくい土地だと理解してください。

 

 

日本に残る美しい古民家。その多くは「市街化調整区域」に残ります。
現代設計事務所のある大垣市は中心部にはまだ建物が多いですが、周辺地域の多くが市街化調整区域です。

当然地域に残る資源を活用したい、後世にこの建物を残して使えるようにしたい。と考えられる方もいらっしゃるでしょう。

その方はその中古物件が「市街化調整区域でない」コトはしっかり確認しましょう。

例えば、「築100年の古民家を再利用してカフェを運営する」近年よく聞くフレーズですが、調整区域である場合は法規的にNGです。

 

 

日本の都市計画の枠組みは何十年も前から変わっていません。ですが、私たちの生活はどんどん変化しています。建築を取り巻く環境もどんどん変わっています。 

都市計画も柔軟に変化に対応する必要に迫られていると感じています。

 

 

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