住宅

メンテのリアル by河村

今回は仕上げの「持ち」についてお話ししようと思います。

 

弊社事務所が今の本今に移転したのは2008年8月ですので、ちょうど今年10年経ちました。色んな箇所のメンテナンスが必要になっていますので、いくつかご紹介します。

スタッフおおよそ10人前後が毎日朝9時から夜8時ごろまで使い倒しているので、一般住宅の使用状況と同じぐらい使っていると思います。

 

① 壁紙

おそらく日本全国すべての建物の内装仕上げの80%以上がこの「壁紙」仕上げなんじゃ無いでしょうか?

10年経って汚れが目立つ場所は給湯室がダントツでした。が、お湯を含ませた雑巾で拭けばある程度汚れは落ちてしまいます。

汚れより目立つのはボード下地の割れに伴うクロスのヨレでした。(写真1、写真2)

この原因は建物の小さな揺れを吸収しきれずボードが変形し、ボードに貼ってある壁紙が追従しきれずに割れてしまっています。もちろん構造計算された建物ですので必要な壁量は足りていますが、変位の大きい場所、かつ「面」の大きい場所ではこうした割れは起きやすくなってしまいます。例えば、階段室回りや吹き抜け回りではよく起きます。

私たちもこの現象には本当によく悩まされます。このボードの割れに関しては起きるか起こるか起こらないかの予測は非常に難しいのです。

このように完全に割れてしまった箇所については壁紙を貼りなおす以外には方法はありません。寄れてしまっているだけならカッターでヨレを取り除いて補修する事は可能です。ただ、貼りなおす工事自体は比較的簡単で安価でもあるので、貼りなおすというメンテナンスはしやすいと思います。

② 吹き付け材(珪藻土)

壁紙以外の仕上げはどうかというと、弊社の吹き付け材仕上げの壁ではほとんど割れはありませんでした。(写真3、写真4)

追従性の高い吹き付け材であれば、内装の割れについては効果が高いようです。

雰囲気も良く反射率も低いのでギラつかず落ち着いたお部屋を演出できるでしょう。

ただし、表面がザラザラしているので埃を留めてしまいやすい事や、壁紙と比べて高価であることは考慮する点です。

例えば液体、マジック等が付くと補修が極めて難しく吹き付けなおしとなる点がデメリットとして挙げられます。小さなお子さんが居ない方で丁寧に使って頂ければ少なくとも10年はメンテナンスいらなさそうです。

 

仕上げの価格で言えば「壁紙 」<「 吹き付け材」で2~3倍の違いがあります。しかし、割れた壁紙を貼りなおすことを思えば、吹き付け材にした方がメンテナンスが不要のため結果安くなるかもしれません。ただ、小さなお子さんが居るお家などは、「もう一度張り替える」事を最初から見越して計画することもあるのではないでしょうか?

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