住宅

小さな寸法を追え! by河村

私の大好きな建築家の一人に宮脇檀さんという方がいらっしゃいました。

その方の図面はとにかく「コンパクトで広い」のです。

都心部の狭小な敷地条件を解決するためにその技術が磨かれたのでしょうけれど、寸法の書かれた図面をみると絶妙に小さいのです。

 

住宅の設計をするということは、「動作に必要なスペースの寸法+余分」の組み合わせを絶え間なく連続に組み合わせていきます。この時の余分が大きければ大きいほどなんだか「ぼんやり」とした空間になりがちです。余分を小さくする設計の方が技術的に難しいと感じます。余分がなくスッキリと洗練された雰囲気を出すには必須の条件だと思います。

いわば、「良い空間の素」というべき寸法のコントロール。非常に難しく良い空間を見つけては測る。を繰り返して自分の使える寸法にするしかありません。

 

都心部に行けば行くほど、狭小の条件が多くなるので小さな建築を沢山見つけることが出来ます。

 

・谷尻誠設計のbook and bed Tokyo の本棚とベットの寸法も絶妙の居心地の良さでした。こっそり測ってみるとやっぱり小さい。(※本棚の写真)

 

・4m×3mほどの3階建てのコーヒーショップ

 

・黒川紀章の中銀カプセルタワービル(外観の写真)(カプセルの中の写真)

 

・イケアショップの展示

 

行く先々の素敵な小さな寸法を測るのが癖になっています。

設計に反映できるように。

 

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