冒険記 by河村
前回の釣りの記事が一部の男性に人気だったので調子に乗ってプチ冒険の時の記録を。
時は2014年5月
実はひそかに温めてきた計画が遂に実行されるのだ!
なんと社員旅行がシンガポールになった!
シンガポールといえば…「ピーコックバス」という淡水魚!色と模様の美しい憧れの淡水魚。
本来南米原産のこいつは、日本のブラックバスと同じ様な理由でシンガポール輸入されたそうな。いつかは本場アマゾンに釣りに行きたいとは思っていたけれど、シンガポールで釣れるならアマゾンに行くより近い!社員旅行のついでに魚を釣ってやろうという作戦。
で、あくまで社員旅行のついでの釣りなのでさすがに本気の道具は持っていけません。
なので、簡単な小型の道具をリュックに忍ばせておきました。

朝から夜まで社員旅行としての行くところがあるので自由時間は夜中の2時から。明日の予定は朝10時から観光。8時間のみのプチ冒険。
夜釣りも考えたが、見知らぬ土地で何かあってはイカン。
当然ガイドもいない。
ポイントも知らない。
何より怖いのは罰金刑。
シンガポールは罰金大国。其処ら中に罰金の看板がある、そのおかげでとても町はきれいに保たれて良い環境を維持できている。
たとえば、ピンボケですが写真のように、MRT(Mass Rapid Transit)という地下鉄内での飲食は罰金5万円!
釣り人なので釣り場のマナーを守るのは当然としても、全く知らないレギュレーションや、タブーに触れて罰金刑になろうものなら社会人としてイカン!(というか社員旅行ついでなので会社に迷惑だけは。。。)
ホテルに帰ってソソクサと準備。
とりあえず、事前情報としてピーコックバスが生息するところは「リザーバー」いわゆる貯水池であることだけは突き止めていた。滞在している期間は丸4日シンガポールには大きな貯水池が数か所あるので、毎日一箇所ずついけば何とかなるかなと考えていた。
移動手段はタクシーかMRT(地下鉄)。
こういう時は本当に時間を金で買った方が目的に近づける。今回の冒険には時間が無いんだ!!
am3時にホテルにタクシーを呼び出発した。

ホテルは都心部なので、いったい幾らかかるか正直ビビりながら、タクシーの運ちゃんにつたない英語で地図に指をさして「ここの湖に行ってほしい」と伝えて走り出した。
夜中の3時にリザーバーに行こうとする日本人など乗せたことない運ちゃんは、
「お前日本から来てこんな時間に、何しにいくん?」としきりに聞いてきたので、スマホにあるピーコ様(ピーコックバス)の写真を見せて
「コイツ ツリ イキタイ!」と言うと、
「オー ユーアー クレイジーフィッシャーマンWWW」と爆笑された。
おもしろそうだと思われたのか、運ちゃんはどこかに電話を掛けてくれた。
「お前その魚こっちの湖より、こっちの場所の方がよく釣れるぜ!俺の相棒の情報だから間違いないぜ。」と、行こうとしていた湖とはかなり離れた場所を教えられた。
「マジ?! オレ ソコ イク!」と元気いっぱい答えて深夜のドライブ40分ぐらい。ポイントに到着。まだ真っ暗な4時。結構きれいな公園みたいになっている場所だった。
「ココ サカナ ツッテ ダイジョブ?」
「ココ サカナ ツッテ ダイジョブ??」たぶん5回ぐらいは聞いた。すべて答えは
「あったりめえよ!俺の相棒ここで釣りしてっから!」って言われた。
どこまで本気なのか知らないが、たぶん大丈夫なんだろう。
とにかく中心市街地からココまでで、費用は2500円ぐらい。
タクシーの運ちゃんと別れた心配性の私は、とにかく「罰金看板」を探した。本当に釣りして良いのか確かめたかった。
岸際から沖に向かって100mほど伸びる大きな桟橋に近づいて愕然とした。「NO FISHING」でっかでかと釣り禁止の看板。
「駄目じゃねーかよ!!!」
夜中の公園で叫ぶ日本人。さぞ滑稽だっただろう。
でも、せっかく来たんだから岸際一体をチェックしに とぼとぼ歩いてチェックした。15分ほど歩いたかな?もう一つ桟橋が見えたので近寄ってみると….
「Fishing Zone」の文字が!!(写真の黄色い楕円部分)
さっきはあんな事いってゴメンね!!あんた親切な運ちゃんだったよ!

結局シンガポールのかなり北の部分にある「セレター・リザーバー」の一番北東際の場所だけが釣りをしていいみたい。(写真の黄色い丸の部分)このエリア全体はこんな感じ。
しかも、よく看板を読み込むと、エサはだめ、ルアーのみOKとの事だった。
で、「飲み水だからとにかく汚すな!わかったな!でも、汚さんかったら釣りしてもええんやで」って事の書かれた看板が其処ら中にたっていた。
日が昇り始めると少しずつ釣り人が増えてきた。
さっそく始めるかと準備していると、
地元のオッチャン、なにやらのべ竿を出した。
???なに??エサで釣るの???
エサ禁止なんじゃないの?と思っていると、
出ました!まさかの
K ・ I ・ N ・ G ・ Y ・O !生きた金魚かよ!!
生きた金魚は餌釣りではないのか?

よくわからいが、ともかく釣りを始めてみる。
水面をゆっくりルアーで誘っていると何度も魚からのアタックが!
地元の釣り人が投げている反対の岸際数メートルをスローにスローに丁寧に丁寧に巻く。しばらくすると、完全にスイッチの入ったピーコ様がスーパーバイト!
かなり遠い場所から猛然とルアーを追って突っ込んで食いあげた!
途中水面ジャンプ炸裂させたが、無我夢中でぶっこぬいてやった!

ルアー丸のみ!
地元のオッチャンに写真を撮ってもらう!
サイズは、図ってないけど30センチ位のサイズだったと思う。
いやぁ~。嬉しい!ちびっこいけどピーコ。
もう、一匹で満足したし、帰る時間も近づいたので納竿。やぁ。いい釣りができた。地元の人に聞くとやっぱりこれぐらいのサイズがほぼMAXサイズらしい。
ピーコックでもアマゾンのアスーと呼ばれる魚のような巨大化する種類とは全然違うみたい。
どうも、地元人には日本でいうブルーギル的な扱いのようで、誰でも釣れる簡単な魚釣りって感じらしい。憧れた魚だけにちょっとショックだけど。ちなみに地元の人はこれを「食う」ために釣っているのでリリースすると「お前頭大丈夫?」と本気で言われます。
そして、最初に金魚で釣りをしていたおっちゃんは、やっぱり警察にしょっ引かれてました(笑)
