住宅

手書き by河村

今回は建物の計画の事では無く、プレゼンテーションについてのお話しです。

 

実際に設計事務所で設計の仕事をするようになって、ようやく建物を建てるための基礎を習得して本当の意味で「設計」をするように成れた頃。

その頃にとにかく読み込んだのは宮脇檀氏の特集だった。学生の頃にあこがれた建物とは全く違い、「小さく、美しかった」平面計画の絶妙な小ささの寸法は本当にうっとりしたし、平面計画を見ただけで作者の意図がそのまま体に染みるような感覚を得られた。

 

「こんな風に自在に自分の頭の中身を具現化出来たら、どんなに楽しいだろう。」

「こんな能力を手にするのにどんな練習が必要なんだろうか?」

 

こうして、宮脇氏の書籍を読むようになるのだけれど、エスキススケッチがとにかくカッコよかった。

 

何度も何度も読み返して、新しい物件がある度に手書きでスケッチを起こしていった。

スケッチを起こすのがルーティーンになった頃、とあるワークショップで計画を手書きで書いたら、

 

「なんにも無いとこから紙に書けるなんてスタンドみたい!」

 

と言われた。30代の方ならわかると思う。あの「スタンド」です。荒木飛呂彦氏の漫画作品「ジョジョの奇妙な冒険」に登場するアレです。なぜだか凄く嬉しかったのを覚えています。

 

CGや模型、パースいろいろ表現方法はあるのだけれど自分の頭の中身を整理するのには結局手書きのスケッチが一番しっくりきます。

 

頭の中身を具現化する。特にお客様への最初のプレゼンの時はほとんど手書きのスケッチを持っていくようにしています。考えていることが少しでも伝わるように。

 

次回は仕事道具についてお話します。

 

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