住宅

敷地を読む その4 by河村

土地の状況と太陽の角度

対象の敷地にどれぐらいの時間太陽が当たるのか?は当然ながらプランに大きく影響します。間口が東西に広ければ広いほど太陽が当たる面が多くする事が出来るのでより日照の条件が良くなります。逆に南北に長いうなぎの寝床のような敷地である場合、南面を取る場所が限られるので計画もとても難しくなります。

 

次の例では南北に長い敷地ではあるがプランの工夫によって沢山の採光を確保することが出来た一例です。

 

敷地の条件として、両脇に木造二階建てが建つ敷地でした。日影図で現状の日影を計算すると図のような日影が出来ることが分かりました。南北に長いと思っていた敷地は実際には角度が真南では無く45度ほど振っている状況でした。

 

この条件で考えたのが、「南北に長い家の北側にいかに太陽を当てるか?」でした。

図のようにコの字で東側に向いたプランを考えました。オレンジ色でマーカーした部分が午前中に日の当たる面の長さを表しています。単純に南北に長いプランをした時よりも日の当たる面が長くなっているはずです。

 

このように敷地の状況を鑑みて計画を行う事で、より意味のある計画とすることが出来ます。「なぜその場所がリビングなのか?」「この建物はなぜコの字型なのか」すべてに意味があり、意図があります。

 

私たちの計画は「理の集積」である。と考えています。単に形や見た目、常識にとらわれず本質を大切にしたいと考えています。

 

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