住宅

古民家再生の第一人者 降幡先生の講演会 by桐山

88歳の建築家

先週、古民家の第一人者降幡建築事務所の降幡 廣信(ふりはた ひろのぶ)氏の講演をお聞きする機会があった。

88歳にして現役で実務に携わっておられます。背筋もピシッと伸びて、2時間立ったままで、ゆっくりと話をされましたが全く年齢を感じさせない凛とした空気が伝わって来ました。

 

降幡先生の古民家は築100年前後の物ばかりですから弊社などは足元にも及ばないのですが、お話の中で記憶に残ったのは、
『昔、日本の家は土間が重要な位置(価値)を占めた』
『地方色を持った家にする』
という言葉です。

古民家と一言で言っても、築100年と言うと工事費用も大きくなりますので、
・解体したら工事費が増大した等は無いのか?
・設計図では表せない事が多いのでは無いのか?
と素朴な質問を投げかけてみたが、実績400棟の建築家からは、
『既存の家を見れば大よその予算は判るし、外す事は無い。再生を新築のようにしようと思うから駄目だ、あくまで再生です。今の家が持っている良さを生かす事が重要で、且つ生活がしやすいように普段使う部分は徹底的に改修する。』
と答えが返ってきました。
88歳で実務を続ける事の重要さを学んだ講演でした。

 

降幡先生の目標は、「村野藤吾(むらの とうご)氏」と言われておりましたが、是非、超えて頂きたいと思いました。村野氏は93歳で亡くなる前日まで仕事をしていたと言われている建築家で、20世紀、戦前から戦後にかけて幅広く活躍し、多様な作品を数多くの作品を残しました。

 

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